●教育・研究活動の概要 |
私たちヒトにとって最も身近な環境である<建築環境システム>における、光・熱・空気などの環境要素の振る舞いを対象にして、それらのほどよい状態とは何か、また、ほどよい状態を実現するためには、
照明や暖冷房・換気システムをどのように構成したらよいかについての研究を、1993〜2001年まで武蔵工業大学(現 東京都市大学)工学部建築学科の
宿谷昌則教授(現 名誉教授)の研究室において取り組みました。
2000年に同大学より博士(工学)の学位を取得後、1年客員研究員を経て、2001年より
札幌市立高等専門学校、
2007年より札幌市立大学デザイン学部・大学院デザイン研究科にて教育・研究活動をしています。
2003〜04年には、文部科学省の長期在外研究員として、米国コーネル大学の人間工学研究室
を運営するアラン・ヘッジ教授(現 名誉教授)
のもとで、オフィス空間の椅子の仕様に対するヒトの温冷感・作業効率を明らかにする実験研究に取り組みました。
研究では、建築内外の光と熱の振るまいを理解するために、熱力学の概念のエントロピー、「エクセルギー, Exergy」
を建築環境工学
に適用した研究を進めています。エクセルギーは、エネルギーや物質の「資源性」とその「消費」を定量的に表わせる概念です。
エクセルギー研究について、これまで斉藤が行なった代表的な成果は、
ヒトは、人体内部にて消費されるエクセルギーが最小になるところで、
「暑くも寒くもない」中立な温冷感が得られることが確認できたことです
<参考資料>。
ヒトと暖冷房システムの双方のエクセルギー消費が最小になるシステムの計画設計を目指す必要があります。
なお、エクセルギー概念を用いた建築環境システムについての研究は、国内だけでなく国際ネットワークが組織されるまでに至り、斉藤は建築環境・省エネルギー機構(IBEC)に
設置された国内対応委員を務めました。
(IEA ECBCS Annex37, LowEx. Net, IEA ECBCS Annex49)。
高断熱・高気密などに代表される建築のハード面の性能を最大限に引き出すためには、
住まい手のライフスタイル、住まい方・住みこなし(術)のソフト面を、ハード技術とどのように調和させるかが、
省資源・省エネルギー・省コストに大きく影響すると考えられます。
住まい手自らが建築環境に対して内発的に働きかけることができるかが鍵と考えられます。そのひとつの試みとして、
住まい手の「想像温度」と「温熱快適性」に関する研究に着手しています。
以上について、日本建築学会 熱環境運営委員会の下で、
バイオクライマティックデザイン小委員会の活動に
参画し、2000年からは「建築環境教育」も研究テーマに加えています。
(日本建築学会 地球環境委員会 環境ライフスタイル普及小委員会のサイト)
また,近年は国内外を問わず自然災害(地震,猛暑・大雪など)が頻繁に発生して多くの尊い命が奪われたり,
一命は取り留めたとしても避難生活のストレスで体調を崩す人が多くなっています.2018年の北海道胆振東部地震.2024年の能登地震など
避難所で過ごす被災者の身体のストレスが健康に及ぼす影響が懸念されています.2021年より防災・減災に関する研究として,
本学看護学部や札幌市危機管理局などと連携して,熱中症予防のための想像温度の活用,厳寒期の避難所における熱環境デザインに関する研究を展開しています.
そのほかの地域に関わる研究としては、動物園デザインの研究を2006年より実施しています.札幌市円山動物園の類人猿館屋外放飼場(2008)を皮切りに,
は虫類・両生類館(2011),アフリカゾーン(2014),ホッキョクグマ・アザラシ館(2018),アジアゾウ舎(2019),類人猿館屋内放飼場(2024)と動物舎の熱環境デザインを監修しました.
(参考サイト:円山動物園と札幌市立大学の関わり
札幌人図鑑「動物園デザイン紹介」(2014 出演)
以上のキャリアを活かして,現在は山梨県甲府市遊亀公園附属動物園のリニューアルデザインを実施するために甲府市のアドバイザーに就任しています. |
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●職歴 |
2022.4-2024.3 | 札幌市立大学 大学院デザイン研究科・研究科長 |
2017.4- | 札幌市立大学 デザイン学部・大学院デザイン研究科 教授(現職) |
2011.4-2017.3 | 札幌市立大学 デザイン学部・大学院デザイン研究科 准教授 |
2010.4-2011.3 | 札幌市立大学 デザイン学部・大学院デザイン研究科 専任講師 |
2007.4-2011.3 | 札幌市立大学 デザイン学部 デザイン学科 専任講師 |
2003.6- | コーネル大学 客員研究員(文部科学省在外研究員)
Human Factors and Ergonomics Lab, Dept of Design and Environmental Analysis,
College of Human Ecology, Cornell University (-04.3) |
2001.4- | 札幌市立高等専門学校 インダストリアル・デザイン学科 建築デザインコース 専任講師(-07.3) |
2000.9- | 実践女子大学 生活科学部 非常勤講師(-01.3) |
1999.4- | 武蔵工業大学 大学院工学研究科 客員研究員(-01.3) |
1997.4- | 武蔵工業大学 工学部 建築学科 研究助手(-99.3) |
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●学歴 |
1970.12 | 三重県津市生まれ。千葉県千葉市で育つ。 |
1989.3 | 千葉県立検見川高等学校 普通科 卒業 |
1994.3 | 武蔵工業大学(現 東京都市大学)工学部 建築学科 卒業 |
1996.3 | 武蔵工業大学大学院工学研究科 建築学専攻 博士前期課程 修了 |
1999.3 | 武蔵工業大学大学院工学研究科 建築学専攻 博士後期課程 満期退学 |
2000.3 | 博士(工学)取得(武蔵工業大学/甲 第63号) |
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●国際会議 |
2014.11 | SUSTAINABILITY WEEKS 2014 Finnish-Japanese Joint Symposium, University of Lapland, Rovaniemi, Finland |
2014.10 | Advanced Building Skins, Conference Proceedings of the 9th ENERGY FORUM, Bressanone, Italy |
2012.9 | Annex definition workshop on: “LowEx Communities . Optimised Performance of Energy Supply
Systems with Exergy Principles", Headquarters of the Fraunhofer-Gesellschaft, September 2012, 5 & 6 in Munich, Germany |
2008.4 | LowEX discussion, Technical University of Delft, Delft, the Netherlands |
2008.4 | International Energy Agency(IEA), Energy Conservation in Building & Community Systems(ECBCS)
Annex49 Low Exergy Systems for High-Performance Buildings and Communities, 3rd Expert Meeting, Vienna, Austria |
2007.10 | International Energy Agency(IEA), Energy Conservation in Building & Community Systems(ECBCS)
Annex49 Low Exergy Systems for High-Performance Buildings and Communities, 2nd Expert Meeting, Yokohama, Japan |
2007.10 | International Conference on Kansei Engineering and Emotional Research,
KEER 2007
, Sapporo, Japan |
2007.9 | 2nd
PALENC
Conference and 28th AIVC Conference on Building Low-Energy Cooling and
Advanced Ventilation Technologies in the 21st Century, Crete Island, Greece |
2005.11 | International Workshop on Sustainable Asia
2005(SA2005), Yokohama, Japan |
2005.9 | 2005 World Sustainable Building Conference(SB05),
Tokyo, Japan |
2005.9 | The Human Factors and Ergonomics Society (HFES) 49th Annual Meeting, Orlando, Florida, USA |
2004.9 | 7th International Symposium on Cold Region Development(ISCORD2004), Sapporo, Japan |
2004.1 | International Energy Agency(IEA), Energy Conservation in Building & Community Systems(ECBCS)
Annex37 Low Exergy Systems for Heating and Cooling of Buildings, Final Meeting, Rovaniemi, Finland |
2003.10 | Center of Excellence in Environmental Systems(COE-ES), Syracuse, New York, USA |
2000.9 | International Energy Agency(IEA), Energy Conservation in Building & Community Systems(ECBCS)
Annex37 Low Exergy Systems for Heating and Cooling of Buildings, 2nd Meeting, Stockholm, Sweden |
2000.7 | Passive and Low Energy Architecture(PLEA2000), Cambridge, UK |
1998.8 | International Solar Energy Society(ISES98), Taejon, Korea |
1997.1 | Passive and Low Energy Architecture(PLEA97), Kushiro, Japan |
1995.9 | International Solar Energy Society(ISES95), Harare, Zimbabwe |
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●所属学会等 |
| 日本建築学会 |
| 空気調和・衛生工学会 |
| 日本太陽エネルギー学会 |
| 日本感性工学会 |
| 日本看護科学学会 |
| 日本公衆衛生学会 |
| 北海道住まい・環境教育学会 |
| LowEx. Net |
| Network of International Society for Low Exergy Systems in Buildings |
| PLEA |
| Passive and Low Energy Architectures |
| COE-ES(New York, USA) |
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●趣味・特技 |
趣味 | もの思いにふける、ドライブ・温泉・読書・スポーツ観戦(NHL/ラグビー/高校野球)・筋トレほか |
1980.4- | 柔道(初段/-90) |
1990.4- | アイスホッケー(現在に至る) |
1990.4- | ♦武蔵工業大学(現 東京都市大学)体育会アイスホッケー部(#8/関東大学リーグ4部/-95.3) |
1995.4- | ♦川鉄スティーラーズ(#25/千葉県社会人リーグ1部/-97.3) |
1997.1 | 釧路スケート湿原国体・千葉県代表選手 |
1997.4- | ♦バッカス(#76/東京都社会人リーグ4部/-99.3) |
1999.4- | ♦新横浜プリンスホテル(#25/神奈川県社会人リーグ1部/-01.3) |
2001.4- | ♦ゲッターズ(札幌市クラブリーグ Div.C/-02.3) |
2002.4- | ♦札幌市役所アイスホッケー部(#36/札幌市クラブリーグ Div.D/-03.5) |
2003.6- | ♦Bill Cooke's
(#25/Ithaca LeagueDiv.A, New York, USA/-04.3) |
2004.4- | ♦札幌市役所アイスホッケー部(#36/札幌市クラブリーグ Div.B) |